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病気のお話 乾癬

監修 東京慈恵会医科大学皮膚科教授 中川 秀己先生
東京逓信病院皮膚科部長 江藤 隆史先生

乾癬の症状

全身のいろいろな場所に、皮膚が赤くなってもり上がり、表面に銀白色の「かさぶた」のようなものができて、ポロポロとはがれ落ちます。
症状が良くなったり悪くなったりをくり返しながら経過します。

乾癬にかかると、皮膚が赤くなって(紅斑)、もり上がり(浸潤)、その表面に銀白色のかさぶた(鱗屑)が厚く付着して、それがフケのようにぼろぼろとはがれ落ちる(落屑)という症状が起こります。鱗屑を無理にはがすと、出血することがあります。かゆみには個人差があり、全くみられない人もいれば、強いかゆみが起こる人もいます。
症状が進むと病変部(皮膚症状があらわれている部分)の数が増え、互いにくっついて大きくなります。
また、皮膚の一部である爪が変形することもあります。
このような皮膚症状のほか、関節の痛みや変形、発熱や倦怠感などの全身症状が起きることもあります。

乾癬の種類

乾癬は、症状の違いによって下の5つの種類に分けられます。

尋常性乾癬 (局面型乾癬)

尋常性は“最も普通の”という意味で、乾癬患者さんの約90%がこのタイプの乾癬です。
1つ1つの皮疹が大きくなって互いにくっつくと、局面(プラーク)を形成するので、欧米では「局面型乾癬」と呼ばれています。

関節症性乾癬(乾癬性関節炎)

皮膚症状に加え、関節に痛みや変形などがあらわれます。少し関節が腫れているだけの軽い人から、手足の指、背骨、腰などの関節が変形し、日常生活に支障のある人まで個人差があります。関節リウマチに似ていますが、血液検査でリウマチ反応が陰性の場合がほとんどです。
関節炎を生じた関節では強い炎症によって腫れや強い痛みが起きるばかりでなく、骨が少しずつ壊され、やがて変形してしまいます。このような関節の変化を「関節破壊」と呼んでいます。

膿疱性乾癬

カサカサした部分だけでなく、少しジクジクして真っ赤な部分が生じ、その中に膿疱(白または黄色い膿をもつ小さな発疹)ができます。高熱、全身のむくみ、関節痛、倦怠感などがみられ、多くの場合、入院による治療が必要となります。

乾癬性紅皮症

皮膚症状が広がった状態で、全身の90%以上が真っ赤になります。皮膚の働きが損なわれるため体温調節ができなくなり、発熱や倦怠感を 生じます。ときに入院が必要となることもあります。

急性滴状乾癬

風邪や扁桃炎などに引き続いて、全身に滴状(水滴くらいに小さい:米粒大〜大豆大くらい)の落屑を伴う紅斑が急速にあらわれます。

[ 乾癬の患者さんは日本に約10万人 ]

日本乾癬学会の調査によると、乾癬はおよそ1000人に1人の割合で発症し、患者さんは全国に約10万人いると推定されています。病院で治療を受けた患者さんを性別でみると、男性2人に対して女性1人の割合で、女性よりも男性に多くなっています。
なお、欧米は日本よりも乾癬患者さんが多く(1000人に20〜50人)、一般の人にも乾癬という病気が広く知られています。

皮疹ができるメカニズム

乾癬の皮膚では、表皮の新陳代謝のサイクルが短くなり、角化細胞(垢[あか]となって落ちる細胞)が鱗屑となって はがれ落ちます。
これに加え、炎症によって皮膚が赤くもり上がります。

皮膚の最も外側は、「表皮[ひょうひ]」と呼ばれる薄くて丈夫な層で覆われており、細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入するのを防ぐなどの働きをしています。
正常な皮膚では通常、表皮細胞が約45日のサイクルで新陳代謝をくり返していますが、乾癬患者さんの皮膚ではそのサイクルが正常な皮膚の10分の1(4〜5日)くらいに短くなり、角化細胞が鱗屑となって重なり、たまって、はがれ落ちます。
また、白血球などの血液成分やTNFα(ティー・エヌ・エフ・アルファ)と呼ばれる炎症を引き起こす体内物質が増えるため、皮膚が赤くもり上がったり、かゆみが起こります。

乾癬の原因

乾癬の原因は、まだはっきりとわかっていません。
しかし、最近の研究で免疫系に異常が生じ、炎症が起きていることがわかってきました。

乾癬の原因はまだはっきりとわかっていませんが、細菌やウイルスによる病気ではないので、他人に感染する心配はありません。
最近の研究で、乾癬患者さんの病変部(皮膚症状があらわれている部分)では表皮の異常だけでなく免疫系にも異常が生じ、炎症が起きていることがわかってきました。
免疫とは、私たちの身体を細菌やウイルスなどの異物から守るための防御システムです。しかし、何らかの要因(遺伝的な要因〔体質〕、外部から加わった要因*)でこのシステムが正しく機能しなくなると、反対に身体を攻撃する方向に働き、病気や炎症を引き起こす原因となってしまいます。

免疫と炎症に関係する生体内物質「TNFα」

炎症にはさまざまな生体内物質が関係していますが、乾癬でとくに重要な役割を果たしているのはTNFα(ティー・エヌ・エフ・アルファ)と呼ばれるサイトカインです。
サイトカインはホルモンのような物質で、ごく微量でも人体に作用を及ぼします。
TNFαは、

  1. それ自体が炎症を引き起こす(直接的な炎症作用)
  2. 炎症を引き起こす別のサイトカインの産生を促すことにより炎症を引き起こす(間接的な炎症作用)

という作用があることから、“炎症の親玉”と考えられています。
乾癬の患部ではTNFαが大量につくり出されており、このTNFαが炎症を起こし、皮膚や関節に症状をもたらしているのです。

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