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ALSを含む神経変性疾患治療をめざした抗体医薬に関する共同研究契約締結のお知らせ
(2017年12月13日発表)

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 田辺三菱製薬株式会社(代表取締役社長:三津家正之、本社:大阪市、以下「田辺三菱製薬」)、株式会社オーダーメードメディカルリサーチ(代表取締役社長:村上康文、本社千葉県柏市、以下「OMR」)および株式会社Trans Chromosomics(代表取締役社長:押村光雄、本社:鳥取県米子市、トランスクロモソミックス、以下「TC」)の3社は、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、以下「ALS」)を含む神経変性疾患での抗体医薬研究に関する共同研究契約を11月に締結しましたのでお知らせいたします。

 OMR社は、独自の抗体作製法「LIMAXYS(リマキシス)法*1」を用いて、従来技術では抗体作製が困難であった標的分子に対する抗体医薬の研究開発に取り組んでいます。TC社は、独自の人工染色体技術を用いた完全ヒト抗体産生動物と神経変性疾患に関する細胞評価方法を保有しています。田辺三菱製薬は、脳梗塞急性期の治療薬として使われてきたエダラボン(商品名:ラジカット(日本)、Radicava(米国))について、日本では2015年6月に「筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」として効能・効果の承認を、米国では2017年5月に米国食品医薬品局(FDA)よりALSを適応症とする承認を取得しました。今後、世界でALSの患者数は増加することが予想されており*2、ALSを含む新たな神経変性疾患治療薬の開発にも積極的に取り組んでいます。

 本共同研究では、OMR社とTC社の研究によって見出されたALSの病態進行に関与するターゲット分子に対し、OMR社およびTC社の技術を応用して完全ヒト抗体を作製し、田辺三菱製薬が非臨床薬理試験を担当して研究を進めてまいります。

 田辺三菱製薬、OMR社およびTC社の3社は、次世代の抗体医薬技術を通して、アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的な医薬品創製にチャレンジしてまいります。


LIMAXYS(リマキシス)法*1について

膜タンパク質は細胞膜に埋もれた状態で存在している上に、疎水性も高いため、免疫するために必要な抗原となる膜タンパク質を取得することは困難です。そのため、膜タンパク質抗体の作製は困難であり、これまでの抗体医薬の標的分子は、膜タンパク質の中でも抗体作製が容易な、大きな膜外領域を有するものに限られていました。このような事情から、これまでは、全部で5,600種程度存在している膜タンパク質の中で、20種程度の標的に対してのみ、医薬品用抗体の作製が行われていました。OMRは標的遺伝子を導入した、高転移性の癌細胞をマウスに移植し、癌細胞が転移して広がっていく過程で免疫する方法を開発し、実用化しました(日米特許成立済み)。この方法では、生きている細胞を用いて免疫を行うため抗原タンパク質は不要であり、あらゆる膜タンパク質の抗体作製が可能になりました。


全世界でALSの患者数は増加*2

Nat Commun. 2016 ;7:12408


田辺三菱製薬について

田辺三菱製薬は、1678年に創業、日本の医薬品産業発祥の地である大阪の道修町に本社を置き、医療用医薬品事業を中心とする国内上場企業としては最も歴史ある老舗企業です。「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」という企業理念のもと、中期経営計画16-20では「Open Up the Future−医療の未来を切り拓く」をキーコンセプトと定めました。重点疾患領域である「自己免疫疾患」「糖尿病・腎疾患」「中枢神経系疾患」「ワクチン」を中心に、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品の創製を通じて、世界の患者さんの健康に貢献していきます。
https://www.mt-pharma.co.jp/


株式会社オーダーメードメディカルリサーチについて

オーダーメードメディカルリサーチは、2012年に、抗体医薬の研究開発を目的として設立されたベンチャー企業です。これまでに作製されてきた膜タンパク質を標的とする抗体医薬は、大きな膜外領域を有する膜タンパク質を抗原とするものに限られていました。OMRでは独自の高転移性癌細胞による免疫法である「LIMAXYS(リマキシス)法」を開発したことにより、全ての膜タンパク質に対する抗体作製が可能になりました。さらに、抗体医薬の分野に留まることなく核酸医薬の分野の課題の解決に向けた研究開発も進めています。癌を中心とした難治疾患に対する画期的な治療薬を生み出すことにより、人々の健康に貢献していくことがOMRの願いです。
http://www.omr.co.jp/


株式会社Trans Chromosomicsについて

Trans Chromosomicsは鳥取大学の世界最先端の染色体工学技術を活用した大学発ベンチャーとして2014年に鳥取県米子市に設立されました。天然の染色体のセントロメアとテロメアで構成される新規人工染色体(NAC :Novel Artificial Chromosome)は、数メガ塩基以上の巨大なゲノムを搭載可能であり、動物細胞内で新たな1本の染色体として安定に維持されるため、Tc動物(Tc :Trans chromosomic)の交配により子孫に伝達できます。この技術を基盤とした「完全ヒト抗体産生マウス/ラット」や「希少疾患モデル動物」の開発を中心に、革新的染色体工学技術を医療・創薬へ幅広く提供することにより人々の暮らしと健康に貢献します。
http://trans-chromo.wixsite.com/trans-chromosomics

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