田辺三菱製薬のニュースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者等への情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

ニュースリリース 日本初、経口の多発性硬化症治療剤「イムセラ®カプセル0.5mg」製造販売承認取得のお知らせ

2011年9月26日

 田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:土屋 裕弘)は、本日、多発性硬化症治療剤「イムセラ®カプセル0.5mg」(以下、「イムセラ®」)(一般名:フィンゴリモド塩酸塩)について、多発性硬化症の再発予防および身体的障害の進行抑制を効能・効果として、製造販売承認を取得しましたのでお知らせいたします。

 多発性硬化症は、感覚障害、視神経炎、運動麻痺などが認められる中枢神経系の脱髄疾患であり、症状は再発と寛解を繰り返します。四肢の不自由や、車椅子での日常生活を余儀なくされることがあり、厚生労働省の特定疾患にも指定され、国内における患者数は、約14,000人と報告されています。

 「イムセラ®」は、田辺三菱製薬が創製した多発性硬化症の治療薬で、これまで注射剤に限られていた多発性硬化症の薬物治療に対し、国内初の1日1回の経口投与が可能な薬剤です。本剤は、リンパ球上のスフィンゴシン1-リン酸受容体(S1P受容体)に作用して、自己反応性リンパ球の中枢神経系への浸潤を阻止し、その結果、多発性硬化症における神経炎症を抑制するファーストインクラスの薬剤です。

 国内で実施された第2相臨床試験において、プラセボと比較して炎症性の活動性病巣を有する患者さんの割合を有意に減少させただけでなく、年間再発率も有意に減少させることが確認されています。海外で実施された2年間のプラセボ比較第3相試験でも、疾患の再発頻度や症状の増悪を抑え、身体障害の進行を遅らせることが確認されています。なお、主な副作用としては、肝機能検査値異常、鼻咽頭炎、初回投与時の徐脈などが認められています。

 国立精神・神経医療研究センター病院 院長の糸山泰人先生は次のように述べています。
 「現在、国内で多発性硬化症の再発予防や障害の進行抑制の治療薬として承認されている薬剤は、インターフェロンβの注射剤しかありません。フィンゴリモド塩酸塩は、既存の治療薬とは異なる全く新しい作用機序の薬剤で、国内外の臨床試験で優れた有効性が確認されています。また、1日1回服用の経口剤のため、患者さんにとって利便性が高いフィンゴリモド塩酸塩は、多発性硬化症の治療において重要な選択肢になるものと期待しています。」

 フィンゴリモド塩酸塩は、国内では当社とノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:三谷 宏幸)が共同で開発を行いました。薬価基準収載後、両社は、2ブランド2チャネルで販売を開始する予定です。なお、海外では、導出先のノバルティス社(本社:スイス・バーゼル市)が米国、オーストラリア、カナダ、欧州連合(EU)、スイス、ブラジルなど、現在50カ国以上で承認を取得しています。

 田辺三菱製薬は、アンメット・メディカル・ニーズを満たす医薬品の研究開発および販売により、患者さん並びに医療関係者の皆様方のご期待にお応えするとともに、新薬の創製を通じて世界の人々の健康に貢献してまいります。

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