社会 > 患者さん・医療関係者の皆さまとともに 研究開発

創薬研究の基本的な考え方

当社は、企業理念「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」を原点に、アンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療法、医薬品がなく、いまだに満たされない医療上のニーズ)に応える新薬を世界に向けて継続的に創製します。疾患領域については、「中枢神経」および「免疫炎症」の2つを重点領域に掲げ、注力しています。同時に、更なる未来に向けて新領域や新モダリティについても取り組んでおり、次の柱となる領域・技術を見極めていきます。
創薬活動においては、創薬ターゲットの設定や新技術獲得のチャンスを拡大するために、「湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)」など、新たなシナジーが生まれやすい環境を整備するとともに、産学官協業のオープンシェアードビジネスを積極的に進め、外部の創薬リソースも活用しています。また、三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループ内のシナジーも追求し、疾患治療にとどまらず予防から寛解・根治をめざした「未来の医薬品」をスピード感を持って創製し、「健康寿命の延伸」による健康で持続可能な社会の実現へ貢献していきます。

モダリティとは低分子化合物、ペプチド(中分子)薬、抗体医薬を含む蛋白質医薬、核酸医薬といった治療のための創薬の手段。

難病への取り組み

筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)は、主な症状として筋萎縮と筋力低下が起こる進行性の原因不明の疾患であり、日本では厚生労働省によって指定されている難病です。米国には2万人程度のALS患者さんがおられ、毎年5,000~6,000人が発病していると言われています。しかし、ALSの治療薬は世界で1種類しかなく、新しいタイプのALS治療薬が望まれていました。
当社は、2015年6月にALSに関する適応追加の承認を取得した「エダラボン(一般名)(日本製品名:「ラジカット」)点滴静注バッグ30mg」について、2015年12月の韓国での承認に続き、2017年5月に米国食品医薬品局(米国FDA)より承認を取得し、上市しました(米国製品名:「ラジカヴァ」)。さらに、カナダ、スイス、中国、インドネシアにおいても承認を取得しました。
一人でも多くの、ALSと闘っている世界中の患者さんへ「エダラボン」をお届けできるよう、現在、展開国のさらなる拡大に取り組んでおり、ASEAN3ヵ国に申請中です。また、ALS患者さんの治療の負担を軽減する新しい治療選択肢として、エダラボンの経口懸濁剤であるMT-1186を開発中です(2019年11月にグローバルP3試験を開始)。

オープンイノベーションの推進

新薬創製をめぐる環境は大きく変化し、創出難度は年々高くなっています。そのような環境においても、患者さんや医療現場へ価値のある新薬を持続的に創製していくために、当社ではオープンイノベーションを積極的に推進しています。
2019年5月には、新技術・新規治療・新疾患領域への挑戦をオープンイノベーションによって加速させる戦略的拠点として「湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)」(神奈川県)を始動させました。湘南アイパークには、製薬会社や創薬ベンチャーに加え、創薬支援サービスや研究機器・医療機器、AI・IoTの企業が入居しています。ここに当社の横浜事業所および旧戸田事業所(2019年度閉鎖)の研究員の一部を配置し、入居企業と人的ネットワークを構築することで協業機会の拡大を図っています。特に、遺伝子創薬などに着手し、難病・希少疾患の予防から根治までを対象とした新たな医薬品および医療サービスの提供に取り組んでいます。
当社はこれからも、グローバルヘルス分野の課題に対して独自の役割を果たすとともに、三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループ各社との協奏、投資子会社のMPヘルスケア ベンチャー マネジメント、海外研究拠点のタナベ リサーチ ラボラトリーズ U.S.A.を活用しながら、社外の研究開発シーズと自社の創薬コアコンピタンスとを融合させ、「独自の価値」を「一番乗り」で患者さんへ届けていきます。

主な提携先 (2019年度)

発表日 提携内容 提携先
2019年08月

血友病Bに対する遺伝子治療用製品の研究開発に着手

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)、学校法人自治医科大学
2019年09月

熱帯性感染症(シャーガス病およびリーシュマニア症)に対する新規の医薬品候補化合物の創製に向けた共同スクリーニング開始

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)、顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ(Drugs for Neglected Diseases initiative(DNDi))