田辺三菱製薬のニュースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者等への情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

ニュースリリース Kolon Life Science社とのInvossa®ライセンス契約締結による 田辺三菱製薬 細胞治療への挑戦 - 変形性膝関節症のアンメット・メディカル・ニーズに応える治療をめざして -

2016年11月1日

 田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:三津家 正之、以下「当社」)は、本日、Kolon Life Science社(韓国 果川市)(以下、KLS社)との間で、変形性膝関節症の症状改善を目的とした細胞治療薬Invossa®に関するライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。本契約により、当社は、日本におけるInvossa®の独占的開発・販売権を取得します。

 Invossa®は、KLS社の関連会社であるTissueGene,Inc.(以下、TGI社)が創製したヒト他家軟骨細胞を用いた細胞治療薬で、関節腔内に注入することで変形性膝関節症の疼痛緩和が確認されています。加えて、軟骨破壊進展抑制作用が期待されています。KLS社は韓国において本剤のフェーズ3試験を終了し、2016年7月に韓国の食品医薬品安全処(Ministry of Food and Drug Safety)に生物製剤許可申請を行いました。米国においてもTGI社がフェーズ2試験を終了し、フェーズ3試験を準備中です。当社は日本において変形性膝関節症を適応症として、軟骨破壊進展抑制作用の評価を含めて開発を進める予定です。
 当社では、開発中のMT-5547(抗NGF抗体「ファシヌマブ」)と合わせて変形性膝関節症の患者さんにとってのアンメット・メディカル・ニーズに応えることをめざします。

 今回の契約締結により、当社はKLS社に対して契約締結時一時金 25億円を支払います。また、開発および販売マイルストン、さらに、販売額に応じたランニングロイヤリティを支払う予定です。なお、本件に関する業績への影響については、織り込み済みです。

 田辺三菱製薬は、中期経営計画16-20「Open Up the Future−医療の未来を切り拓く」をキーコンセプトに、新しい治療法をお届けできるように挑戦して参ります。

 なお、本件による当社の業績予想への影響はありません。

Invossa®について

 Invossa®は、同種異系ドナーから採取した軟骨組織を供給源とし、単離・培養した軟骨細胞とTGF-β1遺伝子導入軟骨細胞を混合して関節腔内に注入する細胞治療薬です。本剤は変形性膝関節症の治療薬として開発されています。変形性膝関節症は、加齢とともに関節軟骨が弾力性を失い、物理的な摩擦が生じて軟骨がすり減ることを主な原因として発症します。主な症状は膝の痛みや浮腫、可動域の制限などです。現在の治療は疼痛緩和が中心であり、病態の進行抑制を適応とする治療薬はありません。

 本剤はTGF-β1遺伝子導入軟骨細胞が関節腔に混合注入した培養軟骨細胞の関節軟骨への生着を高めると共に、これらの細胞が軟骨代謝異常を改善すると考えられます。変形性膝関節症の疼痛緩和効果が確認されており、さらに軟骨破壊進展を抑制することが期待されます。KLS社が実施した韓国フェーズ3試験では、関節機能改善の指標であるIKDC(International Knee Documentation Committee)スコアおよび疼痛指標であるVAS(Visual Analog Scale)について、プラセボ群と比較しており、KLS社はこの結果を以って2016年7月に韓国の食品医薬品安全処に対し生物製剤許可申請を行っています。

田辺三菱製薬の概要

田辺三菱製薬は、1678年に創業、日本の医薬品産業発祥の地である大阪の道修町に本社を置き、医療用医薬品事業を中心とする国内上場企業としては最も歴史ある老舗企業です。「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」という企業理念のもと、中期経営計画16-20では「Open Up the Future−医療の未来を切り拓く」をキーコンセプトと定めました。重点疾患領域である「自己免疫疾患」「糖尿病・腎疾患」「中枢神経系疾患」「ワクチン」を中心に、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品の創製を通じて、世界の患者さんの健康に貢献していきます。http://www.mt-pharma.co.jp/
※東京商工リサーチ調べ

Kolon Life Science社の概要

Kolon Life Science社は、2000年の設立以来、変形性関節症治療薬として世界初の遺伝子組み換え技術を用いた細胞治療薬Invossa®はをはじめ、革新的な細胞・遺伝子治療薬を開発中です。また、バイオ医薬品事業に加えて、API(医薬品原料)製造、エコケミカル、更には、水事業を展開しております。より詳しい情報は、ホームページを参照下さい。http://www.kolonls.co.kr/eng/

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