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ニュースリリース 統合失調症治療剤「カリプラジン」(MP-214)について アセアン(シンガポールおよびタイ)における承認を取得

2019年8月8日

 田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:三津家正之、以下「田辺三菱製薬」)は、海外子会社が申請しておりましたカリプラジン(一般名、治験コード:MP-214、ドパミンD3/D2受容体パーシャルアゴニスト)について、7月11日に、シンガポール当局(Health Sciences Authority)より、7月22日に、タイ当局(Food and Drug Administration Thailand)より、統合失調症の適応症で製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。

 シンガポールにおいては、当社の現地子会社であるミツビシ タナベ ファーマ シンガポール(Mitsubishi Tanabe Pharma Singapore Pte. Ltd.)が医薬品販売承認取得者として、Symvenu®(シンベニュー)の製品名で販売を行います。また、タイにおいては、ミツビシ タナベ ファーマ タイランド(Mitsubishi Tanabe Pharma(Thailand)Co., Ltd.)が医薬品販売承認取得者として、Reagila®(リアジラ)の製品名で販売します。

 カリプラジンの作用機序は不明な部分はあるものの、パーキンソン症状等の錐体外路系副作用(手足のふるえ、体のこわばり、落ち着きのなさなどの症状)が少なく、陰性症状(意欲が低下する、感情表現が乏しく、単調になる)に対する改善効果が確認されています。

 統合失調症は精神疾患のひとつで、正確な原因は不明です。統合失調症の症状は大きく分けて、「陽性症状(妄想、幻覚など)」「陰性症状」「認知機能障害(集中して何かをしたり、記憶したり、計画を立てたり、問題を解決したりする能力に異常があること)」の3種類があり、患者さんにより症状の種類や程度は様々です。シンガポールおよびタイの患者数は、それぞれ約3万人、約36万人と推定されています。

 カリプラジンは、当社がハンガリーのゲデオンリヒター(Gedeon Richter Plc.)からライセンスを得たアジア地域において開発を進めている医薬品であり、欧米では既に販売されています。

 統合失調症の症状から、生活に障害をきたす患者さんが多くいらっしゃいます。
 田辺三菱製薬は、統合失調症で不自由な生活を余儀なくされている患者さんへ、本剤をお届けすることで、患者さんの生活の質(クオリティ・オブ・ライフ:QOL)を高められるよう努めてまいります。

カリプラジン(MP-214)について
カリプラジンは、経口の非定型抗精神病薬であり、米国FDAおよび欧州EMAから成人の統合失調症の治療薬(1.5~6mg/日)として承認されています。カリプラジンの作用機序は不明な部分はあるものの、中枢のドパミンD2とセロトニン5‐HT1A受容体でのパーシャルアゴニスト作用とセロトニン5‐HT2A受容体での拮抗作用の組合せによって効果を示すと推定されています。また、ドパミンD3受容体、ドパミンD2受容体、セロトニン5-HT1A受容体に対して、高い結合親和性を示すパーシャルアゴニストとして作用することが薬力学的試験(主に血中濃度と薬効の関係を調べる試験)により示されています。
ミツビシ タナベ ファーマ シンガポール(Mitsubishi Tanabe Pharma Singapore Pte. Ltd.)について
ミツビシ タナベ ファーマ シンガポールは、田辺三菱製薬の連結子会社として、2016年にシンガポールに設立されました。経済、医薬品市場が急成長しているアセアン地域の統括会社として、アンメット・メディカル・ニーズに応える当社の革新的な医薬品を迅速にアセアンの患者さんにお届けするため、開発等の業務を行っており、今後、Symvenu®の販売も行います。
ミツビシ タナベ ファーマ タイランド(Mitsubishi Tanabe Pharma(Thailand)Co., Ltd.)について
ミツビシ タナベ ファーマ タイランドは、田辺三菱製薬の連結子会社として、2016年にタイに設立されました。タイは、アセアン地域においてインドネシアと並んでASEAN市場最大級の医薬品市場を有しており、ミツビシ タナベ ファーマ タイランドは、ヘルベッサーなどの循環器用剤の販売を行っており、今後、Reagila®の販売も行っていきます。

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