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ニュースリリース ALSを対象とした MT-1186(エダラボン経口懸濁剤)のグローバル第3b相臨床試験について

2023年8月1日

三菱ケミカルグループの田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:辻村明広、以下「田辺三菱製薬」)は、外部専門家で構成される独立データモニタリング委員会(IDMC)が実施した中間解析結果に基づき、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象としたMT-1186(以下、エダラボン経口懸濁剤)のグローバル第3b相臨床試験(MT-1186-A02試験*1:本試験)を中止することを決定しました。
IDMCによる本試験中止の推奨は、安全性または有効性の懸念に基づくものではなく、エダラボン経口懸濁剤(日本製品名:ラジカット®内用懸濁液2.1%)の承認および使用に影響を及ぼすものではありません。

本試験は、エダラボン点滴静注製剤の承認時に米国食品医薬品局(FDA)から要請を受けて実施した臨床試験であり、28日間サイクルで投与する現行の用法と、11回毎日投与の用法を比較し、11回毎日投与における有効性の優越性や安全性を確認するための試験でした。
IDMCは、全被験者の半数が48週間投与を完了した時点で中間解析を行い、ALS機能評価尺度改訂版(ALSFRS-R)スコアで評価した有効性について、現行の用法に対し、11回毎日投与の用法が、試験終了時に統計学的に優越性を示す可能性が低いとの結論に至ったため、本試験の中止が推奨されました。
中間解析結果において、エダラボン経口懸濁剤の現行の用法の有効性は、ALSの進行抑制を証明した、点滴静注製剤の第3相試験(MCI-186-19試験)の結果と類似していました。また、新たな安全性の懸念は認められませんでした。
この決定の一環として、本試験の延長試験であるグローバル第3b相臨床試験(MT-1186-A04試験*2)も中止します。

田辺三菱製薬は、本試験で得られた知見を活かし、リアルワールドエビデンスやバイオマーカーデータの研究など、ALS治療のさらなる進歩につなげていきます。


参考

筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)について

ALSは、運動神経が選択的に変性・脱落し、四肢、顔、呼吸筋等の全身の筋力低下と筋萎縮が進行的に起こる原因不明の神経変性疾患です。人種や民族的背景に関連なく、発病率は10万人に2人程度と言われています。

ラジカット®内用懸濁液2.1%について

ラジカット®内用懸濁液2.1%は、5ミリリットルを1日に1回、経口または胃ろうから投与されます。投薬期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返します。第1クールは1日に1回、14日間連続で服用し、14日間休薬します。第2クール以後は、14日間のうち10日間服用し、14日間休薬します。薬剤はボトルに入っており、薬剤を服用するための水や溶解液は必要ありません。また、本製品は流通過程や薬局では冷蔵保存が必要ですが、患者さんは常温での保存が可能です。

エダラボンについて

田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤であり、脳梗塞急性期の治療薬として20014月に厚生労働省から承認され、国内ではラジカット®の製品名で販売しています。
ALSの適応症については、エダラボン点滴静注製剤が2015年6月に日本、同年12月に韓国、20175月に米国、201810月にカナダ、20191月にスイスなど、現在11か国で承認されています。
ALSを適応症とするエダラボン経口懸濁剤は20225月に米国、同年11月にカナダ、同年12月には日本で承認(製品名:「ラジカット®内用懸濁液2.1%」)されています。

MT-1186-A02試験について

MT-1186-A02試験は、20175月に米国においてエダラボン点滴静注製剤であるRADICAVA®が承認された際、米国食品医薬品局(FDA)から市販後に実施を要求された試験です。本試験はALS患者において、既承認の28日間サイクルで投与/休薬を繰り返す用法と毎日投与で48週間投与した際の有効性を比較することを目的としています。点滴静注製剤60mgと同様の薬物動態を示す経口懸濁剤105 mgを用いて実施しており、約380例の被験者を登録する計画です。主要評価項目はベースラインから48週時点におけるALSFRS-Rスコアの変化量です。また、MT-1186-A04試験は本試験の延長試験で、本試験と同じ投与方法でさらに48週間の投与をします。
FDAは本試験の中止に合意し、RADICAVA®の市販後の要求を満たしたことを通知しています。

お問い合わせ先

三菱ケミカルグループ コーポレートコミュニケーション本部 大阪コーポレートコミュニケーション部 TEL:06-6205-5119

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