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ニュースリリース パーキンソン病治療薬候補品・ND0612の承認再申請を米国食品医薬品局(FDA)が受理
2025年5月29日
田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:辻村明広、以下「田辺三菱製薬」)の完全子会社であるニューロダーム社(本社:イスラエル レホボト市、CEO:一色健吾)が、運動症状の日内変動を有するパーキンソン病治療薬候補品として開発中のND0612について、再提出した新薬承認申請(New Drug Application、NDA)が米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)に受理された旨の通知を受領しました。FDAの判断は、処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act、PDUFA)により、2025年度の第3四半期までになされる見込みです。
ND0612の米国における開発については、2023年にFDAに対しNDAを提出しましたが、2024年6月にFDAから審査完了報告通知*1(Complete Response Letter、CRL)を受領したことを発表して以降、FDAと協議しながらNDAの再提出に向けて取り組んできました。
今回の承認再申請は、CRLで指摘されたND0612の成分の一つであるカルビドパの安全性に関する追加情報の提供や、製品の品質、デバイスおよび製造所の査察に関する追加情報の提供を中心に実施しました。
パーキンソン病は、世界で1千万人以上、米国では約100万人の患者さんがいる*2と言われている、進行性の慢性神経疾患です。田辺三菱製薬グループは、米国のほか、欧州でもND0612の販売承認申請を実施しており、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域において、神経変性疾患に向きあうすべての人に、新しい治療の選択肢を届けるために取り組んでいます。
- *1 審査査完了報告通知は、承認申請の審査が終了した時点で、現在の申請内容では承認に至らない場合にFDAより発行されます。
- *2 Who Has Parkinson’s? Parkinson's Foundation. (2025年5月20日閲覧)
https://www.parkinson.org/understanding-parkinsons/statistics
ND0612について
ND0612は、レボドパとカルビドパ(LD/CD)を液剤化し、注入ポンプを用いて運動症状の日内変動を有するパーキンソン病患者さんに24時間持続皮下投与する治療薬です。経口のLD/CD治療では、レボドパの血中濃度の変動により安定した臨床効果を得るのが難しいというアンメット・メディカル・ニーズがあります。ND0612は、LD/CDを持続皮下投与することで、従来の経口治療と比べてレボドパの血中濃度を持続的に安定させ、薬物動態プロファイルを改善することで、パーキンソン病患者さんの運動症状の日内変動を減少させることが期待されています。
ニューロダーム(NeuroDerm Ltd.)について
中枢神経領域の治療薬に関して、新たな製剤研究や、医薬品と医療機器(デバイス)とを組み合わせる優れた技術開発力を有するイスラエルの医薬品企業で、革新的な技術を通じて治療の負荷を軽減し、患者さんとその家族の生活の質を改善することをめざしています。田辺三菱製薬は、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域でパイプラインを拡充するため、2017年10月に完全子会社化しました。www.neuroderm.com
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田辺三菱製薬株式会社 CEOオフィス PRグループ TEL:06-6205-5119