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ニュースリリース
抗CD19モノクローナル抗体製剤「ユプリズナⓇ点滴静注100mg」について 日本におけるIgG4関連疾患の再燃抑制の追加効能を承認取得~IgG4関連疾患の治療薬としては日本初~
2025年11月20日
田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役CEO:原田明久、以下「田辺三菱製薬」)は、「ユプリズナⓇ点滴静注100mg」(一般名:イネビリズマブ(遺伝子組換え)、以下「ユプリズナⓇ」)について、IgG4関連疾患の再燃抑制の追加効能の承認を厚生労働省より11月20日に取得しました。
IgG4関連疾患は、複数の臓器で腫大、結節・肥厚性病変や線維化を伴う進行性の疾患であり、寛解と予測不能な再燃を繰り返すことが特徴です1)2)3)。IgG4関連疾患の正確な発症機序は不明ですが、B細胞、特にIgG4陽性の形質芽細胞や形質細胞が主な要因である可能性が示されています4)。本邦におけるIgG4関連疾患の治療薬としては初の医薬品となります。
IgG4関連疾患の患者さんを対象にした第3相国際共同治験(MITIGATE試験)をユプリズナⓇの導入元であるアムジェン社と共同で実施し、ユプリズナⓇの有効性および安全性を評価しました。今回の承認はこのMITIGATE試験データに基づいています。
田辺三菱製薬は、希少疾患を含めたアンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品を自社開発や他社等とのパートナリングを通して患者さんへ提供できるよう取り組んでいきます。
ユプリズナⓇについて
ユプリズナⓇは、基礎疾患の進行に関与する形質芽細胞および一部の形質細胞を含む自己抗体産生CD19陽性B細胞を標的として、持続的に枯渇させるヒト化モノクローナル抗体(mAb)です。患者さんは、初回投与の14日後に2回目の投与を受け、以降初回投与から6ヵ月ごとに1回の投与を受けます。
日本では2021年に「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を適応症として製造販売承認を取得し販売しており、現在、全身型重症筋無力症の適応追加申請中です。
IgG4関連疾患について
IgG4関連疾患は、慢性、全身性、免疫介在性、線維化を伴う炎症性疾患で、複数の臓器で腫大、結節・肥厚性病変を形成します1)。IgG4関連疾患の正確な発症機序は不明ですが、B細胞、特にIgG4陽性の形質芽細胞や形質細胞が主な要因である可能性が示されています4)。また、時間の経過とともに新たな臓器に連続的または同時に影響を及ぼす進行性疾患であり、寛解と予測不能な再燃を繰り返すことを特徴として、症状の有無にかかわらず、永続的な臓器障害を引き起こす可能性があります2)3)5)。B細胞はIgG4関連疾患の発症機序において中心的な役割を果たし、CD19発現(CD19+)B細胞が炎症および線維化プロセスを促進して、疾患活動性に寄与する他の免疫細胞と相互作用すると考えられています1)5)。
有病率は全世界で10万人中5人と推定されています。IgG4関連疾患の典型的な発症年齢は50-70歳であり、病変部位によって異なりますが、IgG4関連疾患全体では女性よりも男性での発症が多いという報告があります2)。
- 1)論文名:Inebilizumab for Treatment of IgG4-Related Disease.
DOI:10.1056/NEJMoa2409712 - 2)論文名:IgG4-related disease: Changing epidemiology and new thoughts on a multisystem disease.
DOI:10.1016/j.jtauto.2020.100074 - 3)論文名:Predictors of disease relapse in IgG4-related disease following rituximab.
DOI:10.1093/rheumatology/kev438 - 4)論文名:B lymphocytes directly contribute to tissue fibrosis in patients with IgG4-related disease.
DOI: 10.1016/j.jaci.2019.07.004 - 5)論文名:IgG4-related disease: an update on pathophysiology and implications for clinical care.
DOI:10.1038/s41584-020-0500-7
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