環境 気候変動への対応

気候変動は人類を含めたあらゆる生物の存続に重大な影響を及ぼす環境問題であり、その抑止に向けた取り組みは地球規模国際社会の大きな課題になっています。当社グループは気候変動への対応を重要な経営テーマと位置付け、温室効果ガス排出量の削減等の緩和対策、ならびに気候変動により受ける影響に対する適応対策を推進しています。

温室効果ガス排出量の削減

当社グループは、気候変動の緩和に向けて、エネルギー使用量の削減とフロン類漏えいの防止による温室効果ガス排出量の削減を推進しています。
2020年度は、環境中期行動計画16-20が定めるCO2排出量削減目標を達成しました。

CO2排出量(拠点エネルギー由来)

スコープ1温室効果ガス排出量

スコープ2温室効果ガス排出量

温室効果ガス排出量(スコープ1+2)

サプライチェーンの温室効果ガス排出量の削減状況

2020年度のサプライチェーン温室効果ガス排出量は、スコープ3カテゴリ1が全体の83.2%を占めています。
カテゴリ7(雇用者の通勤)については、2020年度はテレワークが普及したことにより、前年より39%減少しました。

サプライチェーン温室効果ガス排出比率

スコープ3温室効果ガス排出量

カテゴリ GHG排出量
(千t-CO2eq)
算定方法
1 購入した製品・サービス 571.9 国内における原材料・製商品の購入金額に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
2 資本財 20.2 国内だけでなく海外も含めた連結を対象とし、固定資産の取得金額に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
3 スコープ1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 13.0 国内および海外事業所のエネルギー使用量に、環境省DBの排出原単位、LCIデータベース(IDEAv2.3)の排出原単位を乗じて算出
4 輸送、配送(上流) 1.9 国内における「工場→物流センター」「物流センター→卸」「販促品倉庫→支店・営業所等」の輸送トンキロおよび環境省・経済産業省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」の「トンキロ法」から算出委託先物流センターおよび販促品倉庫での保管管理に係る電力使用量に、「電気事業者別排出係数(環境省・経済産業省R3.1.7公表)」で示された実排出係数を乗じて算出
5 事業から出る廃棄物 2.1 国内グループ事業所(生産・研究拠点、本社・東京本社、物流センター)からの廃棄物の種類別の排出量に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
6 出張 0.88 国内・海外の従業員数に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
7 雇用者の通勤 1.3 国内・海外の交通区分別の交通費支給額に、新型コロナウイルス感染防止対応下の出社率を乗じ、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
12 販売した製品の廃棄 0.35 国内における容器包装リサイクル法に基づく再商品化委託義務量に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
合計 611.5

環境省DB:環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.1)」

エネルギー使用量の削減

国内グループでは省エネ推進連絡会を定期的に開催し、エネルギー使用量の推移や省エネ対策について随時検討をしています。また、全体をカバーするエネルギー管理体制を構築することで、グループ全体で省エネルギーを推進しています。
2020年度のエネルギー使用量(熱量換算)は各拠点におけるさまざまな省エネ活動に加え、一部の研究・生産拠点における空調停止などによる電気使用量の減少、研究拠点の統廃合(戸田事業所の閉鎖)により減少しました。

エネルギー使用量

温室効果ガス排出削減に向けた取り組み

省エネ活動

当社グループでは省エネルギー活動を積極的に推進しています。
国内外の拠点において、LED照明灯への置換やセンサーによる点滅制御ならびに空調設備のメンテナンスを継続的に推進しています。小野田工場新研究棟においては高遮熱・高断熱Low-Eガラス、高効率空冷ヒートポンプモジュールチラー、地中熱利用(ピット)や外調機の外気冷房を採用し、省エネルギーを進めています。また、省エネキャンペーンを全拠点に展開して社員への啓発を行うとともに、未使用時の消灯や機器類の電源OFFを推奨するなど、日頃の省エネルギー活動を行っています。加島事業所は国土交通省「エコ通勤優良事業所」の認定を、東海支店は「エコ事業所」の認定を受けています。また、本社と加島事業所は「関西エコオフィス宣言事業所」に登録されています。

また、当社はNEDOが取り組む「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に参画しています。詳細はこちらをご参照ください。
https://www.mt-pharma.co.jp/news/2021/MTPC210617.html

ハイブリッド車の導入

当社グループでは、社有車から排出される温室効果ガスの削減をめざして、ハイブリッド車の導入やエコドライブを推進しています。
2020年度末現在、国内グループで保有する社有車は1,741台(対前年1.9%増)で、そのうち1,118台(65%)がハイブリッド車です。2020年度の社有車燃料由来のCO2排出量は3.1千t-CO2で、前年度から25%減少しました。

再生可能エネルギーの利用

温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの利用は、気候変動の緩和に資する有効な施策の一つです。
当社グループでは加島事業所オフィス棟と東京本社の建屋屋上に太陽光発電パネルを設置しています。2020年度の発電量は加島事業所では161MWh、東京本社では2MWhでした。

加島事業所オフィス棟屋上の太陽光パネル

フロン類の排出抑制

当社グループでは、オゾン層破壊と温室効果作用を示すフロン類の漏えい防止に努めています。2020年改正フロン排出抑制法に従い、国内拠点に設置されているフロン類充填機器は台帳を用いて適正に管理しています。また、設置基準を遵守し、定期的な点検を行うとともに、廃棄時にはフロン類を確実に回収破壊し、その記録を3年間保管します。
なお、フロン充填機器を新設する場合は、温暖化係数と省エネ性能を考慮して機種を選定しています。

2020年度の国内生産・研究拠点におけるフロン類の回収破壊量は1,416kg、漏えい量は67kg(117t-CO2eq)でした。グループ国内各社のCO2換算フロン類漏えい量は、漏えい量報告制度が制定された2015年度以降いずれの年度も行政への報告基準値未満でした。

気候変動リスクと機会の分析・評価

気候変動による気象災害や低炭素社会への移行が当社の事業に及ぼす影響を把握することは重要です。
当社グループでは、A-PLAT WebGIS※1、およびNK-ClimVault※2の2種類の気候変動予測ツールを用い、代表的濃度経路シナリオ(RCP2.6:2℃シナリオ、RCP8.5:4℃シナリオ)※3にて、国内外の生産・研究拠点のリスクを把握するとともに、気候変動が当社グループの事業へ及ぼす影響について、リスクと機会の両面から評価を進めています。
今後もリスク評価を継続し、必要な対策を進めていきます。

  • ※1気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)が開発した気候変動の影響を評価するツール
  • ※2日本工営株式会社が開発・発表した気候変動の影響を評価するツール
  • ※3大気中の温室効果ガス濃度の将来予測(排出シナリオ)を気候モデルにインプットして、将来の気温や降水量などの変化を予測したもの。IPCC第5次評価報告書など、国際的に共通して用いられている。

気候変動のリスクと機会

分類 内容 管理手法
物理リスク 異常気象による自然災害が増加し、生産施設の損壊による製品供給の遅延や設備復旧のコストが生じる 生産拠点の気候変動リスク評価
BCPマニュアル整備、防災対策、非常用電源の確保
天候不良による原料植物の不作あるいは自然災害によるサプライチェーンの寸断により、原材料の調達に支障が生じる サプライヤーの気候変動リスク評価
サプライヤーアンケートの実施
代替の購入方法などの検討
平均気温上昇により、研究・生産施設の維持・管理コストが増加する 空調設備の増強など
脱炭素社会への移行リスク 温室効果ガス排出規制の強化や炭素税の導入等により、設備投資を含む操業コストが増加する 再生可能エネルギーの利用
燃料転換
低CO2排出型設備への転換
炭素国境調整措置が製品などの輸出入に影響する 国際動向の把握・分析
再生可能エネルギー由来電気の需要が市場供給量を上回り、その調達に支障が出る。あるいは料金が高騰する 計画的な調達
評判リスク 当社の気候変動対応に対するステークホルダーからの評価が悪化し、売り上げが減少する 気候変動に対する緩和と適応施策の積極的な推進
取り組みに関する情報の適正な開示
機会
(製品・サービス)
気候変動の影響により、感染症領域などで医療ニーズが拡大する 医療ニーズの分析
ワクチン事業の強化、マラリアやNTDs(顧みられない熱帯病)治療薬の研究開発
TOPICS
顧みられない熱帯病へのアプローチ
気候変動の進展に伴い、節足動物が媒介する感染症の増加が予想されています。
当社は公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund、以下「GHIT Fund」)から助成を受け、非営利の医薬品開発に取り組む国際的な組織である「顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ」(Drugs for Neglected Diseases initiative(以下「DNDi」)とともに、シャーガス病およびリーシュマニア症を標的としたリード化合物の創薬研究を、2021年4月より開始しました。
詳細はこちらをご参照ください。
https://www.mt-pharma.co.jp/news/2021/MTPC210331_3.html

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