社会 > 患者さん・医療関係者の皆さまとともに 安心・安全・便利に使えるくすりづくり

当社は、患者さんや医療従事者などのくすりに関わる皆さまに、安心・安全・便利に使っていただける、くすりのご提供を心がけています。
ここでは、くすりの表示・包装に関わる改善活動、利便性・服薬コンプライアンスの向上について、その取り組みの一部を紹介します。
今後も、段階的に対象となるくすりを増やし、患者さんや医療従事者の皆さまにとってやさしいくすりをご提供できるよう努めていきます。

グローバル安全性ポリシー

くすりの使いやすさへの取り組み

新剤形の開発(服薬の負担を軽減)

ALSの患者さんはこれまで治療のために通院もしくは入院し、注射針の痛みを伴う点滴投与をする必要がありました。
そこで、ALSの患者さんがアクセスしやすい薬剤を提供することを目的に、2018年からエダラボン(注射剤)の剤形追加品として「経口懸濁剤」の開発をはじめ、2022年6月より米国にて販売を開始しました。2023年3月時点で約1万人の患者さんに投与されており、注射針からの解放および在宅治療による負担軽減に対して、ALSコミュニティからも大きく称賛されています。
日本国内においても、2022年12月、ALS治療薬「エダラボン経口懸濁剤」の製造販売承認を取得し、2023年4月に販売を開始しました。本剤を基点に、世界のALS患者さんのQOL改善に、引き続き取り組んでいきます。

製剤への工夫(服薬の負担を軽減)

2024年3月、2型糖尿病治療薬 「SGLT2阻害剤」のOD錠(口腔内崩壊錠)の製造販売承認を取得し、5月に発売しました。
口腔内の唾液等、少量の水で容易に崩壊することから、飲みやすくなる剤形です。
また、場所にとらわれることなく水なし/水ありのどちらでも服用できることから、利便性の向上と服薬継続が期待されます。
当社では、継続的な治療が必要な2型糖尿病のある人の治療満足度の向上に貢献するため、「選択的DPP-4阻害剤」については、2021年6月にOD錠を発売し、「選択的DPP-4阻害剤」と「SGLT2阻害剤」の配合剤についても、2024年2月にOD錠の剤形追加申請を行っています。

口腔内崩壊錠は、舌の上にのせると唾液あるいは少量の水分により数十秒で崩壊するため、一般の方のみならず、錠剤をうまく飲み込めない高齢者や水分摂取制限を受けている方にとっても有用です。
出典:独立行政法人医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0002.html

包装への工夫(服用方法をわかりやすく)

くすりの中には剤形によって飲み方が難しいものもあります。当社では、患者さんにくすりを正しく飲んでいただくために、くすりの包装にQRコードを印字して、基本的な飲み方や注意点などをわかりやすく説明した動画を手軽に閲覧できるよう工夫しています。スマートフォンなどで包装に印字されているQRコードを読み取れば、動画が再生されます。薬局での服薬指導の際や患者さんがくすりを服用される際などにお役立ていただくため、業界で初めての取り組みを行いました。

「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

QRコードから、慢性腎不全用剤速崩錠の飲み方ムービーが再生されます。
速崩錠は、独自の製剤技術により服薬ボリュームを大きくすることなく、また、少量の水で速やかに崩壊し口腔内への拡散を抑えることで、これまでのカプセルや細粒の服用が困難であった患者さんの服薬性向上につながることが期待されます。

アルミ袋への工夫(開封しやすく、くすりを取り出しやすく)

当社では、くすりの使いやすさの改善にも積極的に取り組んでいます。くすりの包装シート(PTPシート)をつつむアルミ袋は、医療機関で開封する際に「開封しづらく、くすりを取り出しにくい」との声を頂きました。そこで、資材メーカーと共同で「開封しやすく、くすりを取り出しやすい」アルミ袋を開発しました。この技術は、「2016日本パッケージングコンテスト(日本包装技術協会主催)」で医薬品・医療用具包装部門賞を受賞しました。

「開封しやすく、くすりを取り出しやすい」アルミ袋

医療過誤防止への取り組み

錠剤両面への製品名表示

医療過誤防止への取り組みの一例として、2型糖尿病治療剤「選択的DPP-4阻害剤/SGLT2阻害剤 配合剤」などの錠剤両面に、製品名をカタカナ印字しています。識別コードに代わるこの取り組みにより、医療現場における錠剤の取り違え防止、調剤業務の効率化が見込まれるとともに、患者さんによる服用ミスの防止が期待されます。

錠剤に製品名を表示

包装シート(PTPシート)の表示

当社の一部の製品では、くすりの取り違え防止などを目的に、包装シート(PTPシート)の1ポケットごとに、製品名や含量を表示しています。患者さんへ処方される際に1ポケットごとに切り離しても、製品名や含量を確認することができます。さらに視認性の向上を目的に、文字を大きくしたり、配色を工夫したりするなどして、識別しやすいデザインを施しています。

ポケットごとに製品名や含量を表示した例

環境負荷低減への取り組み

環境に配慮したバイオマスプラスチック製PTPシートの採用

当社の一部の製品では、環境に配慮し、バイオマスプラスチック製PTPシートを採用しています。本PTPシートは同じ三菱ケミカルグループ(MCGグループ)の三菱ケミカル株式会社の製品であり、石油を原料とするプラスチックを使用したPTPシートと比較し、二酸化炭素排出量を30~70%削減することができます

  • データ提供元:三菱ケミカル株式会社。同様の透湿性を有するPTPシートの場合。使用する係数により数値が変わります。
バイオマスプラスチック製PTPシートを使用した製品例
個装箱にバイオマスプラマークを表示

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