社会 > 従業員とともに ダイバーシティ&インクルージョンの推進

多様な人材の活躍

基本的な考え方

当社グループでは、ダイバーシティ&インクルージョンの考え方を経営戦略の1つと位置付け、その考え方を、「Diversity Promotion Circle」として整理し、取り組みを進めています。

Diversity Promotion Circle

多様性については、顕在化した多様性(性別、性自認・性的指向(LGBTQ+を含む)、年齢、経歴、国籍、障がいの有無、育児・介護による時間制約など)と潜在している多様性(知識・スキル・経験、価値観・考え方など)の両方について、その違いを楽しみ、違うまま活かしていくことで成果を最大化することをめざしています。

LGBTQ+:本レポートでは、セクシュアル・マイノリティの人たちを表す総称であるLGBTにQ(Questioning:自身の性のありかたを決めない・わからない人)や言葉では表現しきれない、性の多様性を表す+(プラス)を追加して表記しています。

ダイバーシティ&インクルージョンの取り組み

2023年度は、下記取り組みを実施しました。

ダイバーシティ&インクルージョン研修

管理職の意識醸成と女性のエンカレッジを目的とした「キャリアエンカレッジセミナー」を計6回開催。経営層ならびに各組織リーダーが登壇し、組織におけるダイバーシティ&インクルージョンの重要性や自身のキャリア、ダイバーシティマネジメントについて講演しました。

MCG Group DE&I Event Week in 2024

2024年3月に、ダイバーシティ&インクルージョンについて考える「MCG Group DE&I Event Week in 2024 – Inspire Inclusion –」を開催。1週間のイベントウィークでは、日本・Americas・EMEA・中国・APACの各リージョン主催のイベントが行われ、世界の三菱ケミカルグループ(MCG)の同僚たちと、違いが尊重され、属性によらず、すべてのメンバーが活躍できるMCGについて考える機会となりました。

LGBTQ+の取り組み

当社グループではこれまで、LGBTQ+当事者の人権を守り、働きやすい職場環境整備のため、以下の取り組みを行ってきました。

  • MCG グループ「人権の尊重並びに雇用・労働に関するグローバルポリシー」に、性的指向・性自認を事由とした差別を行わないことを明記。
  • LGBTQ+等の性的指向・性自認に基づく差別や嫌がらせは懲戒処分対象であることを就業規則に明記。
  • 事実婚・同性パートナーを家族として登録可能とし、あわせて休暇、手当、住宅などの制度で配偶者と同様に取り扱う。

2023年6月にはLGBTQ+講演会を開催、2024年3月の「MCG Group DE&I Event Week in 2024– Inspire Inclusion –」ではLGBTQ+当事者のトークイベントを企画しました。
また2023年12月に「LGBTQ+理解のためのガイドブック」を社内イントラで公開しました。
引き続きLGBTQ+当事者への理解と支援を表明するアライ(ALLY)ステッカーも配布しています。採用に関しては採用時エントリーシートから性別記入欄を廃止し、ジェンダーやLGBTQ+に配慮しています。

MCGグループオリジナルアライステッカー

シニア、ベテラン層の活用

当社では、定年後に継続雇用を希望する従業員を再雇用しています。就業の場を提供するためにワークシェアリングなどの多様な働き方を実現する環境を整備するとともに、再雇用制度を充実させ、定年後もスキル・ノウハウを活かせるように努めています。
また、50~55歳の従業員を対象に、定年後も視野に入れた今後のキャリアを考えるキャリアデザインワークショップを実施しています。年齢に関わらず、全従業員が高いモチベーションを持って働き続けられる環境を積極的に整備・拡充しています。

社会からの評価

一般社団法人「work with Pride」による職場におけるLGBTQ+の取り組み評価指標である「PRIDE指標」において2023年度Goldを受賞
2016年に女性活躍推進法に基づく最高ランクの「えるぼし」に認定
内閣府による、「女性が輝く先進企業表彰」は、女性が活躍できる職場環境の整備を推進するため、役員・管理職への女性の登用に関する方針、取り組みおよび実績ならびにそれらの情報開示において顕著な功績があった企業を表彰するものです。
当社は令和2年度「女性が輝く先進企業表彰」において「内閣府特命担当大臣(男女共同参画)表彰」を受賞しました。

女性従業員の係長相当以上および管理職への登用率

障がい者活躍の支援

障がい者雇用の促進

当社グループは障がい者雇用に積極的に取り組むと同時に、多くの職種において職域開発を行ってきました。また、障がい者雇用を積極的に進めた結果、2024年3月末の当社グループでの雇用率は3.09%となり、前期末の2.69%から向上しました。
当社グループでは、今後も障がい者の積極的な採用と活躍できる環境の整備を進めていきます。

障がい者雇用率

障がい者雇用率

働きやすい環境づくり

当社グループは障がい者と健常者が同じ職場で一緒に働くインクルージングな職場の実現をめざしています。また、障がい者の特性を踏まえ得意分野を活かせる環境を整備するとともに、今後も更なる働きやすさの向上をめざして、取り組みを進めていきます。

特例子会社「田辺パルムサービス株式会社」

当社グループ全体では約100人の障がい者が働いていますが、当社グループの特例子会社である「田辺パルムサービス株式会社」では、約40人の知的・精神・発達を中心とした障がい者が働き、さまざまなオフィスサービスを提供しています(2024年4月現在)。
同社では「働きやすい職場環境の整備」と「成長を支える仕組み」により、障がい者が安心して働きながら、会社とともに成長していくことをめざしています。具体的には朝礼・終礼での認識合わせ、スタッフとの定期面談や、日々のケア面談などを通じ、業務内容の確認や生活面も含めた困りごとの相談など、ざっくばらんなコミュニケーションを図っています。また、チームとしての業務改善を発表したり、個人での発案や業務改善を発表し、表彰する仕組みを取り入れ、個々の成長につなげています。同社は、障がい者の雇用や就労支援に積極的に取り組む事業者であるとして、「大阪府障がい者サポートカンパニー優良企業」として登録されています。

紙資料の電子化業務。電子化することでグループ内の業務効率化に寄与します。
MTPCグループ従業員の名刺を作成しています。
大きな紙面に印刷して名刺サイズに裁断します。

多様な働き方を支援

当社グループ(国内)では、ライフイベントと仕事との両立支援制度の充実、柔軟な勤務制度の導入などを通じ、多様な人材が多様な働き方で活躍することを支援しています。

柔軟な勤務制度

当社グループは、従来、コアタイムなしフレックスタイム制度、企画業務型・専門業務型裁量労働制度、テレワーク(在宅)勤務制度など、従業員の柔軟な働き方と生産性向上に資する制度の充実に取り組んできました。
2018年度には、仕事と治療の両立を支援するために、がんサバイバーや、不妊治療など、治療を必要とする従業員が利用できる短時間勤務制度や治療休暇を導入しました。これらの制度に加え、2020年4月には新たに「不妊治療休職制度」を導入しました。不妊治療を受けているものの、配偶者と別居状態という物理的な距離が原因で不妊治療が困難な状態にある社員が、この制度を利用することで一時的に休職できるようになりました。加えて2021年1月に制度を拡大し、配偶者と同居していても、通院の負担が大きい生殖補助医療による不妊治療を受けている社員について、本制度の対象となりました。
2022年10月には、育児介護休業法改正に伴い出生時育児休業(産後パパ休暇)を制度化、男性育児休業取得推進の環境を整備しました。
2023年4月には、働く場所の柔軟化に向けて、通勤圏外の遠隔地から常態的に勤務できる「遠隔地勤務制度」を導入しました。

ライフイベントと仕事の両立支援制度

法定を大きく上回る育児・介護支援制度を整備し、妊娠・出産・育児・介護といったライフイベントと仕事を安心して両立できる環境を整えています。また、男性が積極的に育児参加できる環境整備を引き続き進めています。
これからも、従業員一人ひとりが自らの能力を十分に発揮し、いきいきと働くことができる職場環境を整備していきます。

男性が育児参加できるための取り組み

男性が育児参画しやすい環境を整えるため、以下に取り組んできました。

  • 配偶者が妊娠~出産までの期間に取得できる配偶者出産時特別休暇
  • 育児休業の最初の5日間の有給化(男女とも)
  • 男性の育児休業取得促進
  • 出生時育児休業(産後パパ休暇)

2023年度は、9月19日「育休を考える日」に賛同し、パパの育児体験記、ならびに育休応援メッセージを社内外に公開しました。

育休取得者の声

1年間の育休を通して子供の成長を夫婦で見守ることができました。子供が生まれると子供中心に時間が流れ、好きな事をし、食べたい時に食べ、眠りたい時に眠ることができなくなりますが、その不自由さすら楽しく感じます。長期間仕事から一旦離れて育児と向き合えたからだと思います。人生のステージによって優先順位は変わりますが、復職した今も育児が楽しいと思っています。毎日違うことが起こり、戸惑いや驚きや笑いのなか、心豊かに過ごすことができています。
復職時には上司から「ゆっくり徐々にで良いので、無理をせずにね」と言われ、気持ちが楽になりました。まわりから羨ましがられるほど充実した育休制度があり、職場の協力も得られやすい田辺三菱製薬で働いていることを誇りに思います。

育休に入る前、会社で案内された父親学級を妻にも紹介し、夫婦で参加しました。長期の男性育休を取得する大切さを夫婦で再確認できたことは、非常に大きなことでした。「俺には仕事がある、と思うことで失うものは何か考えよう。仕事の替えはきくがパパの替えはきかない。」というコメントが印象に残りましたが、本当にその通りだと思います。今何を優先すべきなのかは自分のなかで明確でしたので1年間の育休取得に迷いや不安は何もありませんでした。実際、育休中は本当に大変なことも多く、何度も妻から「1年育休取得してもらってよかった、助かった」と言われる場面に出くわしました。
育児に正解はありませんが、これからパパになる人は夫婦で育休取得について一度話し合うのが良いと思います。

ファーマ戦略本部 PR部
Sさん

社会からの評価

次世代育成支援対策推進法に基づく「基準適合一般事業主」(くるみんマーク)に、2007年以降、6期連続で認定されています。また、2019年7月には、育児支援および働き方改革の取り組みが評価され、「プラチナくるみん」認定を取得しました。

「プラチナくるみん」認定制度は、子育てサポート企業として厚生労働大臣の「くるみん」認定をすでに受けた企業のうち、より高い水準の取り組みを行っている企業が認定されるものです。

くるみん認定マーク
プラチナくるみん認定マーク

育児休業・育児短時間勤務制度使用実績

育児休業・育児短時間勤務制度使用実績
  • 当社グループ国内
  • 育児休業使用実績は、当該年度の新規育児休業取得者数

介護休業・介護短時間勤務制度使用実績

介護休業・介護短時間勤務制度使用実績

当社グループ国内

健全な労使関係の構築

当社グループは、組合結成の自由と団体交渉権を含む従業員の権利を尊重しています。労働組合とは労働協約を締結し、組合員の労働条件や権利を保障しています。労働組合加入率は2024年3月末時点で76.3%です。定期的に経営懇談会を開催し、会社から経営方針を伝えるとともに、会社の状況に関する情報の共有・相互理解を深めています。また、労働諸条件や人事制度見直し等の個別の課題については経営協議会や各種労使委員会などで協議・意見交換を行い、働きやすい労働環境の実現をめざしています。

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