
環境 廃棄物の削減/資源の循環
限りある資源を循環させて有効利用することは、環境破壊の抑止や廃棄物の削減につながり、社会ならびに経済の持続可能性にとっても重要な課題です。
当社グループでは、環境中期行動計画16-20において、廃棄物の発生量および最終処分量の削減を目標として掲げ、廃棄物の適正処理と資源の有効活用の観点から「3R(リデュース、リユース、リサイクル)+Renewable」を推進し、循環型社会の実現をめざしています。
廃棄物の適正管理と削減
当社グループは、排出事業者として廃棄物収集運搬・処理委託契約の締結、電子マニフェストの運用、処分委託業者の現地確認等、適正に実施・管理しています。
特に廃棄物の処分委託業者については、再資源化を積極的に実施している業者を選定し、契約締結前に現地確認を実施し、処分委託の可否を評価しています。
2020年度の当社グループ国内拠点における産業廃棄物の最終処分率は、0.26%であり、環境中期行動計画16-20で定めた目標である、国内のゼロエミッション(産業廃棄物の最終処分率が0.5%未満)を達成しました。近年、国内拠点の統廃合に伴って備品什器等の廃棄物が一過的に発生しており、このことが廃棄物最終処分量の変動要因となっています。
また、当社グループではペーパーレス化を推進しており、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大によりテレワークが浸透し、国内拠点ではプリンタ・複合機からの出力数が前年度比32%削減、OA用紙の削減につながりました。テレワークはアフターコロナでも継続した働き方となるため、ペーパーレス化は引き続き取り組んでいきます。
廃棄物発生量・排出量(国内)

廃棄物最終処分量(国内)

プラスチック使用量の削減
近年、プラスチックごみが海洋などに流出・長期滞留することで発生する環境汚染が世界的に大きな問題となっています。また、化石資源から作られるプラスチックの廃棄は、温室効果ガスの排出を増加させます。
当社グループでは、脱プラスチックへの取り組みの一つとして、バイオ由来樹脂を医薬品の包装に使用するための検討を始めています。
また、プラスチックが当社グループの事業へ及ぼす影響に対して、リスクと機会の両面からの評価を進めています。
プラスチック資源循環のリスクと機会
分類 | リスク | 機会 |
---|---|---|
物理 | 廃プラスチックが環境中に流出し、エコシステムに悪影響を及ぼす | 廃プラスチック流出の防止や温室効果ガス排出量の削減に資する医薬品の提供 |
規制 | 環境中に流出した廃プラスチックによる海洋等の自然資本への悪影響 製造、販売、使用、消費、廃棄に関する規制や税制変更のリスク |
資源エネルギー効率の向上によるコスト削減 化石資源利用および温室効果ガス排出に係るリスクの低減 |
技術 | 医薬品包装への再生材使用における品質に関わる技術的課題 代替素材やバイオプラスチックなどの新素材・新技術の開発遅延による競争力低下 |
プラスチック代替素材やバイオプラスチックなどの環境配慮型新素材使用製品の開発による競争力強化 三菱ケミカルグループ内のシナジー |
市場 | 環境配慮型商品への消費者ニーズの高まりへの対応の遅れ 環境配慮型商品製造・販売のコスト増 |
環境配慮型製品販売による市場拡大 |
評判 | プラスチックの不適切な使用や環境汚染により、企業イメージを損ねる | 環境配慮型製品の研究・製造・販売による企業ブランディング |