社会 > 患者さん・医療関係者の皆さまとともに 医療アクセス向上に関わる課題解決

医療アクセス向上に関わる課題解決の取り組み

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、目標の1つに「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」ことが掲げられています。当社グループは、これまで主に医薬品による疾患の治療手段を提供する形で社会に貢献してきました。しかしながら、いまだに治療方法が見つからない難病や、根治が難しい疾患は数多く残されています。これらのアンメット・メディカル・ニーズに応える新薬を継続的に創出することは創薬企業の使命です。また、世界には医療システムの不備や、貧困・災害などにより、開発途上国をはじめとして必要な医薬品や医療サービスを得られない人々が数多くいます。当社グループは、事業活動およびNPO/NGO、業界団体など各種パートナーとの協力活動を通じて、これらの「医療アクセス(Access to Medicine, Access to Healthcare)向上に関わる課題の解決」に取り組んでいきます。

研究開発の推進

医療アクセスの向上には、アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的な新薬を継続的に創出することが重要です。価値のある新薬を持続的に創製していくために、当社ではオープンイノベーションを積極的に推進しています。遺伝子創薬などにも着手し、難病・希少疾患の予防から根治までを対象とした新たな医薬品および医療サービスの提供に取り組むとともに、グローバルヘルス分野の課題に対し、独自の役割を果たしていきます。

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)への参画

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、開発途上国の人々を苦しめるマラリア、結核、顧みられない熱帯病などの感染症に対する新薬創出を促進するために設立された日本初の官民パートナーシップです。
当社はグローバルヘルスに貢献するというGHIT Fundの趣旨に賛同し、GHIT Fundへの資金拠出を行っています。また、GHIT Fundを通して、抗マラリア薬の研究機関であるMedicines for Malaria Venture(MMV)に対し、当社の医薬品化合物ライブラリー(5万化合物)を提供し、医薬品になる可能性のある3種類の有望なヒット化合物を同定することができました。さらに共同研究を進め、このうちの1つより、新規抗マラリア薬候補となる2種類のリード化合物を取得しました。2019年4月より次のステージに移り、開発候補化合物創製をめざして、引き続きMMVと連携して研究を進めていきます。
マラリアはエイズ、結核と並ぶ世界三大感染症の1つで、マラリアの根絶は国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標として掲げられています。これからも、開発途上国における医薬品のアクセスの向上とSDGsの達成に貢献していきます。

GHIT Fundおよび関連パートナーのメンバーと情報交換会を開催
GHIT Fundおよび関連パートナーのメンバーと情報交換会を開催
  • 難病への取り組み 例:筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • オープンイノベーションの推進(アカデミア、製薬企業、GHIT Fundを通じた連携)

詳細は「研究開発」をご参照ください。

安定的な医薬品流通システムの構築(サプライチェーン・マネジメント)

高品質な医薬品を必要なときに必要な患者さんのもとに安定的かつ確実にお届けすることは、製薬会社としての務めです。
また、災害をはじめとする不測の事態下であっても同様です。当社グループは、品質が保持された医薬品を患者さんに安定してお届けするため、偽造医薬品の混入防止や偽造医薬品を含む品質の疑わしい医薬品の流通を防止する体制を構築しています。

詳細は「生産供給」をご参照ください。

医薬品や医療サービスへのアクセス向上

医療へのアクセスが困難な国における特許

当社グループでは、新たな医療機会を提供するための基盤として、知的財産ポリシーを定め、グローバルに競争力ある知的財産を適切に保護し、有効に活用しています。一方、深刻な経済的課題により医療アクセスが困難な国では、特許の権利行使に配慮する必要があると考えます。当社グループは世界中の貧困地域での医療アクセスに資するため、原則として、国連の定める後発開発途上国(LDC)および世界銀行の定める低所得国(LIC)においては、特許出願および特許権を行使していません。

詳細は「知的財産権の保護」をご参照ください。

NPO/NGOへの寄付を通じた開発途上国の医療アクセス支援

支援項目 取り組み内容 対象国
開発途上国の子どもたちへのワクチン支援 2014年より認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(JCV)が実施する開発途上国の子どもたちへのワクチン支援活動「せかワクぶっく」に当社グループの従業員が参加しています。これは、古本などを寄付すると、その売却代金がJCVに寄付され、ワクチンにかわり、開発途上国の子どもたちに届けられる国際貢献活動です。 ミャンマー、ラオスほか
開発途上国への医薬品提供 当社グループでは、アフリカ(ケニア)で活動するNPO海外医療ボランティア団体に自社製品を寄付し、医療の手が行き届かない開発途上国の患者さんの健康に貢献しています。 ケニア
開発途上国の小児緩和ケアへの支援 ミツビシ タナベ ファーマ インドネシア(MTID)は、すべての子ども達に、緩和ケアサービスが平等に提供されることを願い、インドネシアで緩和ケアの先駆者となってきたNGO「Rachel House」への寄付や医薬品の提供などを行っています。この活動を通じて、医療の手が行き届かないジャカルタ郊外の地域で深刻な病気に苦しむ子ども達を支援しています。 インドネシア

これらの取り組みについては、「医療・福祉への貢献」をご参照ください。

「サーチライトサポート」の創設によるALS患者支援

2017年5月には、米国において筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬「ラジカヴァ」が承認され、同年8月から米国の現地法人ミツビシ タナベ ファーマ アメリカが販売しています。「ラジカヴァ」を処方されるALS患者さんを支援することを目的に「サーチライト サポート」を創設し、患者さんそれぞれに合わせた治療管理、保険償還サポートを提供し、患者さんをサポートしています。